リペアクラフト日記


チューニング、ピッチに関すること

公開日:2015/04/25

少しマニアックな話を。

ギターやベース、少しそれてピアノのチューニング、ピッチを交えてお話。

文字だけなので、少し退屈かもしれません。

ギター、ベースはいわゆるフレット楽器です。

指板に一定ルールでフレットが打ち込まれています。

そもそも一定ルールとは何か。
平均律によって導き出されたポイントにフレットを打ち込んでいます。

では平均律とは。
文字通り1オクターブ内にある12音を均等に割って出る音程を示します。

反対?に純正律と言うものがあります。

では純正律とは。
1オクターブ内にある12音を聴感上狂いなく和音になるように分割した音程を示します。

言葉にすると難しいですが、早い話が機械的か人間的か。

平均律は機械的に導き出された音程のため、和音になった時に一定の狂いが生じます。

逆に純正律は人間的に導き出された音程のため、和音になった時に狂いがない。

ではなぜ純正律を採用しないのか?
厳密には出来ないので採用しません。

純正律はキーによって調律が変わります。

Cのkeyで調律された純正律楽器を他のkeyで演奏すると大変なことになります。

逆に平均律で調律された楽器はある程度融通が効くので、狂いはあれど、違和感が少なく演奏できます。

では良くある症状で、ピッチが悪い、音程が悪い、と質問をいただきます。

ギターにはオクターブチューニングと言うものがあります。

開放弦もしくは12Fのハーモニクスと12Fの押弦での音程が同じになるように合わせることです。

これをきちんと合わせればある程度のピッチの安定は保てます。

しかしながらフレット楽器の特性上、抑える力やフレットの減りなどでもピッチは安定しずらいものです。

この辺りは経験上の話になりますが、、、

巻き弦はプレーン弦に比べて抑えた時にシャープしやすいです。

よってオクターブピッチを合わせる際に巻き弦をややフラット気味、プレーン弦をナチュラルからややシャープ気味に調整することでもプレーヤーによっては違和感が小さくなります。

またピアノの調律やBFTSもこの方法に近い方法で調律されています。
(ウェルテンパラメントと言う調律方法です)

しかしながらフレット楽器ゆえ、フレットが減るとこで、減ったポジションはピッチがシャープしてしまいます。

まぁギター、ベースと言う楽器は完全な音程を求めはこと自体が間違いなのかもしれません。

とはいえ安定したピッチで演奏したいと思うのはプレーヤーの性でしょう。

一番良いことは基本的なオクターブピッチをしっかりと合わせる。

次にフレットのメンテナンスをしっかりと行う。

それでも違和感がある、と言う場合はBFTS。
BFTSは経験上ですが、サスティンが増え、楽器自体の鳴りも良くなったように感じていただけます。
(和音時のピッチの狂いが小さくなるため、共振による妨げが少なくなるためでしょう)

といったところでしょうか。

BFTSでなくとも、プレーヤーのスタイルに合わせるピッチ調整は可能です。
(前記しました弦毎に少しずつ音程を変える)

この辺の細かな調整や相談も承っております。

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