フレット交換の流れ
フレット交換の値段改定を行いました、よりリーズナブルな料金でフレット交換を実施していただけます。 いままでフレット交換パッケージ1のコースが27000円でしたが、33000円への改定致しました。
手順1
フレットのサイドに浮きが見受けられます、また減りも多く見受けられビビリやサウンド面において問題ありなため、フレットを打ち替えます。
手順2
フレットプラーを用いてフレットを抜いていきます。場合によってはハンダで熱をいれて抜いていきます。 この工具はかれこれ6年間、定期的に研いで使ってますのでそろそろ寿命・・・(かれこれ1000本以上のギターのフレットを抜いてきましたw)
手順3
フレットを抜いたところですね、これは70年代ギブソンのエボニーですのでチップしやすいところですが、慎重に作業すればまず大丈夫です。
手順4
すべてのフレットを同じ要領で抜き、またこの段階でナットもはずしておきます。
手順5
ネックジグにセットして指板修正をします。
手順6
まずは荒いペーパーで狂いをしっかりとります。スケールなどでストレート・ラディアスをチェックしながらの作業です。 ここで狂いが取れたと判断したときに、一度ネックジグから取り外し、弦を張りチェックします。 その後もう一度ネックジグにセットし、ペーパーの番手を落としながら微調整、研磨をしていきます。
私はフレット関連の作業でもっとも重要なことはこの指板修正であると考えています。 一度ネックジグから取り外しもう一度セットすることで削ったことで落ちた質量の狂いやジグの数値の狂いなども考慮するため、手間ですが2度、場合によっては3度ほど繰り返します。
手順7
次はフレット溝の調整です。 打ち込むフレットのサイズによってタング(フレットの足の部分)の太さが異なるため、いくつかの溝きりノコを用いて作業します。
手順8
今回はバインディングのあるネックの作業のため、フレットサイドのタングを処理します。 タングニッパでカットした後に、技工用のルーターにディスクをつけてサクサクとバリを取っていきます。
手順9
いよいよ打ち込みです。これまた手間ですが1本打ち込んだ後に薄い紙をフレットの両サイドから入らないかチェックしていきます。 この作業は非常に重要で、当たり前ですがフレットがしっかり打ち込まれていることを確認します。 目視でも確認しますが、目は当てにならないため、ひとつずつ薄い紙が入らないかチェックします。 すべて打ち終えましたらフレットサイドをカットし、再びネックジグにセットしフレットのすり合わせを行います。
手順10
すり合わせをした後のフレットはトップの形状が面になっているため、専用のファイルを用いてリファイリング(再形成)を行います。
手順11
その後技工用のルーターに特殊なラバーシリコンのビットを取り付け研磨および形成を一気に行います。
手順12
次にフレットサイドの処理に取り掛かります。 当店ではラウンドエッジ、球体フレットの処理を行っております。 球体フレットはメリットが大きく、フレットの有効幅を最大限に確保することが可能で、手に当たった際のフィーリングも滑らかになります。 ここは手作業ですべてのフレットを形成していきます。
手順13
手作業で形成した後、技工用ルーターに特殊なラバーシリコンの細いビットをとりつけ、研磨および形成を行います。 その後同様に技工用ルーターにてすべてのフレットの研磨を行います。
手順14
指板エッジ(今回はバインディングのエッジ部分)が指板研磨の際に角が立っていることがあるため、スムーズなフィンガリングができるよう形成します。 これでフレット周りの作業が完了です。 この後は全体のセットアップ作業、ナット作成をして作業終了です。 (ナット交換もフレット交換時に一緒に行っておりますが、今回は説明を割愛させていただきます)